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Chiyoda Study
2009-2011 , Tokyo
2011
2011年の活動は、これまでのプロジェクトを引き継ぎながら、今年も学生主体で活動することになりました。学生たちは3チームに分かれてディスカッションを重ね、それぞれ映像、景観デザイン、音に関するプロジェクトを実施することになりました。3月に山脇ギャラリーで実施予定であったプロジェクトの報告展が東日本大震災のため中止となったが、6月に開催できることになりました。
「みんなの街に新しいお店ができるとすれば、どんなお店がいいだろう?」というテーマのもと、街の人の生活の中心である商店街に着目したプロジェクトです。大学の近くの九段商店街で、子どもたちと一緒に商店街の役割やこれからの姿について考えました。九段商店街のいくつかのお店にもお話を伺い、現在の九段商店街の様子や昔の様子などをお聞きしました。それらの情報をもとに、私たちは四番町児童館で新しいお店を考えるワークショップを行いました。ワークショップを通して、この街に必要だと子どもたちが思うお店の、外観、おすすめ商品、キャラクターなどを制作しました。最期に、ワークショップの様子や九段商店街で働く方々へのインタビューで構成したドキュメンタリー映像を作成しました。
千代田区について子ども達や町の人々にもっとよく考えてもらいたい。その為の架け橋を作りたい。私達景観班では町の景観に着目してプロジェクトを開始しました。千代田区はオフィス街が多く、東京の中でも文化・経済・財政の中心なる街です。そんな日頃忙しく動き回る人々に癒しを与えるデザインとは何か。大人にとっては馴染み深く、子ども達に未知の存在である「都電」というキーワードを通じて千代田区の人々を繋ぎます。「都電っていったいなんだろう?」「都電が走ったら街がこんな風に変わるといいな。」子ども達の夢と希望が詰まった都電と千代田区の大学に通う学生のアイディアで千代田区を一つの理想国と捉え、彩ります。「都電」を通じて見える風景はきっと普段とは一味違って見えるはずです。
音のプロジェクトは、千代田区在住・千代田区に通勤している大人たちの悩みについて、千代田区内の児童館に集まった子どもたちが相談に乗り、大人の悩みを解決するという、普段とは立場の逆転したプロジェクトです。子どもたちの豊かで斬新な発想力によって、大人たちの悩みの解決案を考えてもらいました。このプロジェクトを通じた子どもと大人のコミュニケーションの痕跡を表現する最終的な作品として、「音」を選択しました。音は子どもから大人まで多くの人々が共感、共有をしやすいと考えたためです。千代田区に関係のあるアマチュア・ミュージシャンたちに大人と子どもたちのやりとりを基とした楽曲を依頼しました。また、完成した楽曲をBGMとして使用し、これまでの活動内容を紹介した映像を制作しました。
2010年のプロジェクトは、3つのプロジェクトを立ち上げた。
しおり配布(神田古書店街) 2010年10月27日(水)~12月27日(月)(なくなり次第終了)
制作ドキュメントの展示(本と街の案内所) 2010年11月5日(金)~11月30日(火) ( 土日祝日はお休み)
ワークショップ「こどもアート会議」(四番町児童館)2010年11月17日(水) 11月24日(水)12月 1日(水) 12月22日(水)
作品展示(児童館近郊の商店店舗内)日時:2010年12月8日(水)~12月15日(水)
千代田区を舞台としたボードゲーム(高齢者センター+区内児童館など)
2010年10月下旬 見本版の完成
2010年11月 フィードバック期間(地元小学校や児童館で試遊を予定)
2010年12月 本制作
2011年1月 展示用ボードゲームの制作
2011年3月 山脇ギャラリーに展示
2011年3月17日(木)~3月22日(火)(日・祝を除く) 11:00-18:00
山脇ギャラリー 〒102-0074 東京都千代田区九段南4-8-21 tel:03-3264-4027
※2011年3月11日(金)の東日本大震災の影響で会期中のオーディエンスに対する安全確保が難しいと判断し、展覧会は延期となりました。記録集についても展覧会の中止を受けての計画変更や震災の影響で準備作業ができず見送ることになりました。
地域の人々との共同によるワークショップ・プロジェクト
千代田区四番町児童館
「千代田区四番町こどもアート会議」は法政大学国際文化学部稲垣立男研究室が平成21年度千代田学事業「研究地域コミュニティをつなぐアート・プロジェクトの実践と研究」の一環として実施した体験学習型のワークショップで、自分たちの住む「まち」が元気になるようなアイディアの作品を、小学校1〜3年生の子どもたちと研究室の大学生が共同で制作した。稲垣研究室では、これまでにも地域の人々と共同作業で作品制作やワークショップを数多く行っており、越後妻有アートトリエンナーレ(新潟県十日町市)や水都大阪(大阪市)では子どもたちと共同で作品制作を、またタイ・チェンマイのWat Patumtaram保育園やアーカス・プロジェクト(茨城県守谷市)において、未就学児のためのワークショップを定期的に運営している。今回の「こどもアート会議」では、ワークショップを通じて子どもたちが自分たちの「まち」を考えるきっかけとなり、未来のまちづくりにつながっていくことを大きな目標とした。毎回の参加者が同じわけではないので、前回のワークショップに参加した子どもたちが考えたアイディアを、バトンを繋ぐように次の参加者が引き受けて制作するというリレースタイルのワークショップを試みた。
「こどもアート会議」は「Part1」3回、「Part2」4回の2つのワークショップで構成されている。各回の実施時間は約1時間であった。以下に実際に実施しているプログラムを簡単に紹介する。
(2009年実施)
研究室の4年生が主体となって考えたワークショップ。まちの中で自分の好きな場所をキャラクターとして表現し、自分たちの思い出や日常からまちを見つめ直し地域社会に興味を持つこと、自分の住むまちのよさを再認識することをねらいとした。
(2009年11月11日)
子どもたちそれぞれに「よく行く場所」、「怖い場所」、「ドキドキする場所」、「好きな行事」等を聞き出し、その回答をもとに四番町児童館周辺の地図を作成した。3~4人のグループに分かれ、話し合いながら大きな画用紙に描きこんだ。
(2009年11月25日)
前回作成した地図の中から任意の場所を選んでキャラクターを制作。キャラクターは白い箱段ボールを使い、前後、左右、上から見た立体的な図を、絵の具を使って描きこむ。図書館・青果店・精肉店・写真店・公園・保育園などのキャラクターを考えた。
その3 お話を作ろう
(2009年12月9日)
前回制作したキャラクターが主人公の絵日記を書いてもらう。登場人物は二つのキャラクター(主人公ともう一つ)で、いつどこで何をしたのかを絵と文章で表現した。絵日記の舞台となる場所は第一回で制作した地図内とし、キャラクターになりきって架空の絵日記を作成した。
Part2「おみやげやさんをプロデュース」
(2010年実施)
この地域に架空の「おみやげやさん」をプロデュース。お店に並べる商品を考えて、実際にその商品を作ってみた。地域のオリジナルのおみやげ品を考えることでまちを考えるきっかけとした。
その1 おみやげ品を考える
(2010年1月13日)
Part1で考えた「まちのキャラクター」について説明。次のステップとしてまちにおみやげやさんがあったとすればどんなおみやげを売っているのか、おみやげ品のアイディアを考えることにする。まちの特徴を空間的に考えてみた。
その2 おみやげやさんのデザイン
(2010年1月27日)
前回考えたおみやげ品を販売する架空のおみやげやさんについて、どこに建てればよいのか、どんなお店にすればよいのかをグループで話しあってみた。店名などを考えながらお店をデザインしてみた。
その3 おみやげのパッケージを考える
(2010年2月10日)
これまでに考えたおみやげ品のパッケージや包装紙などのデザインを考えた。実際に四番町のおみやげやさんにふさわしい買い物袋を作ってみた。
その4 おみやげやさんのポスター
(2010年2月24日)
四番町のおみやげやさんをみんなに知ってもらうために、宣伝用のポスターをつくった。
ワークショップを通じて子どもの目線からまちづくりを考えていくというアプローチは、子どもたちだけではなく私たちにとっても新鮮な出来事であり、また大学のあるまちのことを考えながら子どもたちと作品制作をすることは、学生たちにとってもユニークな体験になった。近年大学生と大学のある町とのつながりが希薄になってきているといわれているが、そうした観点からも今回のような児童館と大学研究室が協力して取り組めるプログラムが今後継続していくことを望んでいる。研究室としては、子どもたちが地域を学習する機会を提供し、地域交流や世代間交流に協力していきたいと考えている。大学と地域が協力してまちづくりをさらにすすめること、「元気で仲のよい」地域づくりのお手伝いをすることを継続していきたいと思う。
参考
千代田区の地域コミュニティをつなぐアート・プロジェクトの実践と研究
事業の目的
法政大学国際文化学部稲垣研究室はこれまでに地域コミュニティや地域に住む個人を取材し、その成果を基とした仮設の博物館をつくる、あるいは子どもたちとのワークショップや共同制作など地域の人々とのコラボレーション/共同作業を前提としたアート・プロジェクトを数多く実践している。これらの実践については、地域に住む個人と個人を結び、そのことを契機として人々のアイディアの行きかう、有機的な交流を作ることを主な目的としており、実施したプロジェクトの多くは地域の人々に歓迎され、タイ・チェンマイにおける一連のプロジェクト(2007~)や茨城県守谷市におけるワークショップ「おやこで楽しむアート」(2007~)などのように、地元の要望により長期継続されるものも出てきている。2009年には越後妻有アート・トリエンナーレ(新潟県十日町市)水都大阪(大阪市)などに参加、地域の人々と共同制作を進めてきた。
千代田区においては、2009年度に四番町児童館、山脇ギャラリーのご協力により子どもたちの住む街に関するアイディアを基としたワークショップ・プロジェクト「四番町児童館アート会議」を実施、2010年度は区内児童館(神田児童館、四番町児童館)、神田古書店街、千代田区三番町、四番町の商店との共同作業により地域の人と人をつなぐ3つのプロジェクトを進行中である。さらに麹町小学校で実施されている地域活動にも研究室として参加、千代田区の地域コミュニティでの研究活動が活発になってきている。
研究の具体的な目的としては、
- 地域をテーマとした一連のアート・プロジェクトを通じての地域の活性化をはかる。
- 地域を取材した仮説の博物館やキャプションを地域の人々と協力してつくり、老人から子どもまで幅の広い世代間交流の場をつくる。
- 地域の人々からの情報発信により、外部の人々(国内外)との交流する環境を準備する。
- 子どもたちとの体験学習型ワークショップにより子どもたちが地域を学習する機会を提供し、未就学児については教育的効果とともに地域の子育て支援に協力する。
- 上記の事柄を実践して地域の目指す「元気で仲のよい」地域づくりのお手伝いをする。
などが挙げられる。
今回平成23年度千代田学事業として提案する「地域コミュニティをつなぐアート・プロジェクトの実践と研究」においても、これまでの研究成果を基に、千代田区の人々との共同作業によるプロジェクトに関する実践と研究を継続して考えている。個人と地域が現実的につながりを持ちにくいと思われる都心部において、人と人をつなぐ役割を持つこれらプロジェクトの実践はより意味をもつと思われる。
事業の内容
千代田区を取材し、地域の様々な人々と共に地域そのものを活性化することをテーマとした事業を複数連鎖して実施・研究する。
1. 千代田区在住の区民や在勤の人々への取材を基にしたプロジェクトとその記録集
2. 千代田区内で体験した思い出深い出来事など、地域に関する人々の様々な記憶を綴った「My Place(私の場所)」プロジェクトの実施と記録
3. 千代田区内の育児支援センター、児童館、保育園、幼稚園、小学校、中学校、高校などでの地域に関する取材や鑑賞を基とした体験学習を中心としたワークショップ
- 1.については、千代田区内の公的な施設や空き店舗を利用して実施する。区内の商店街など幾つかのコミュニティに焦点を決め、それらの地域を中心に取材をする。展示内容としては、研究期間中に地元の方々を取材し、特に人々の個人的な体験にフォーカスを当て地域での生活や思い出を記録したものとしたい。取材を元に、写真やビデオ、テキスト、思い出のオブジェクトなどで構成される。
- 2.については、人々の体験についてのインタビューを基にサインボード(キャプション)を制作し、掲示板などを活用して街のなかに設置、街を人々の記憶のミュージアムとする計画である。これらのサインボードを一定期間展示した後、最終的には記憶のマップを作成して記録としてまとめる。
- 3.については、この事業について理解をしていただける区内施設や保育園・学校と協力してワークショップをすすめる。ワークショップの成果は地域博物館や記録集などにも反映され、各地域にフィードバックされる。
3.千代田区との関連性
千代田区との関連性/区の現状・特徴等に関する着眼点や、研究が千代田区に与える効果については、区民の老齢化に加えて割合で27倍という昼夜人口の大きく異なることや外国人登録者の増加など、近年大きく様変わりをしている。このような時代の大きな変化のなかで地域コミュニティについても世代間や国際的な交流などこれまでとは違ったアプローチが必要になってくるであろう。また『千代田区次世代育成支援行動計画』(平成16年10月千代田区発行)にもある「地域の育児力を回復するとともに、地域のきずなを強める」ことは子育て支援において不可欠の課題であり、千代田区の基本理念である「子どもと親の育ちを地域全体であたたかく支えるまちー千代田」の次世代育成支援目標達成のためには、また「共生社会」実現するための「ワーク・ライフ・バランス(次世代育成)施策として、は地域コミュニティのリノベーションは必要条件である。この研究を通じて、千代田区の特徴的な問題について世代や国籍など複合的に取り組むことで、地域コミュニティの活性化に貢献するとともにこの研究そのものを大きく飛躍させるのではないかと考えている。
4.事業実施時期
2011年4月1日~2012年3月31日 ※長期間の実践が必要なため事業終了後も研究を継続。
5.調査・研究の手法
調査に関しては地域の実態調査と資料・文献を通じた調査が中心となる。実際のプロジェクトやワークショップなどに関しては、実施地域からの要望を検討しながら進めていく。また、区の職員の方々にも実際的な協力を願い、大学と区職員が調査・研究等で協働できる仕組みを構築する。これらの実践を円滑に進める為に、コミュニティの行事などにも積極的に参加し、自らが地域の一員であることを旨に調査・研究を行う。研究の進め方としては、研究室のメンバーを中心としてさらに区民からも外部協力者を募集し、多くの人々との交流、共同作業を期待したい。さらに様々な世代の方々とコミュニケーションを図り、フィードバックを大切にし、地域の現状を鑑みてフレキシブルに研究を進めていきたいと考えている。
6.成果の発表・活用方法
成果の発表・活用方法については、
- 仮説博物館や記憶のキャプションによる区内での展示
- 上記プロジェクトを実施するための取材を基にした記録集
- ウェブサイトや地域のケーブルテレビなどを通じての情報発信
とする。この実践・研究の成果を通して人々が繋がり、お互いの様々な考えを交換できる有機的な場を創りだしていきたい。地域が持つ多彩な側面や人と人との繋がりを体感することであろう。この研究が人々と交流する中で、よりよいものに成長していくことを期待する。
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